【フランス語文法#36】関係代名詞qui / que の役割

フランス語の関係代名詞 qui / que は、2つの文をつなぎ、名詞を詳しく説明するために欠かせない重要な文法要素です。
qui と que は関係代名詞の基本でありながら混同もしやすく、使う際は注意が必要です。
このレッスンでは、qui / que の役割、使い方、そして語順のポイントをしっかり理解し、自然な文章を作る力を身につけます。
1. 関係代名詞の基本
関係代名詞とは、2つの文を一つにまとめ、名詞(=先行詞)について詳しい情報を付け加える働きを持つ語です。
特に「qui」と「que」は、文章の中で最もよく使われる基本の関係代名詞です。
1-1. qui の特徴
qui は、先行詞(説明される名詞)が文中で主語の役割を果たすときに使います
qui の後ろには必ず動詞が続きます。
① J’ai un ami.(私は友達がいる)
② Il habite à Paris.(彼はパリに住んでいる)
【①+②】J’ai un ami qui habite à Paris.(私はパリに住んでいる友達がいる)
1-2. que の特徴
que は、先行詞が文中で目的語になるときに使います。
que の後ろには主語+動詞が続きます。
① J’ai un ami.(私は友達がいる)
② Tu connais cet ami.(君はその友達を知っている)
【①+②】J’ai un ami que tu connais.(君が知っている友達がいる)
2. qui の詳しい使い方
qui は、説明節(関係節)の中で先行詞が主語の役割を果たすときに用います。
後ろには必ず動詞が続き、先行詞(説明する名詞)が「〜する」「〜である」という行為や状態を表す主語であることが特徴です。
- Je connais un homme qui parle espagnol.
(私はスペイン語を話す男性を知っている)
→ qui は un homme を説明し、その男性が「話す」という動作の主語になっています。
ここでは qui の後ろに動詞 parle がすぐ続く点がポイントです。qui が直接「男性」と「話す」という行為をつなぐ役割を果たしています。
同じ文を2つに分けると:
- J’ai un homme.(私は男性を知っている)
- Il parle espagnol.(彼はスペイン語を話す)
この「彼=男性」が「話す」という行為をしているため、主語の役割として qui を使います。
3. que の使い方の詳細
que は、関係節の中で先行詞が目的語の役割を果たすときに使います。
後ろには「主語+動詞」が続き、先行詞は説明節の中で目的語(〜を)の部分にあたります。
- Je lis un livre que mon ami a recommandé.
(これは友達が勧めてくれた本だ)
→ que は un livre を説明し、その本が「友達が勧めたもの」という情報を追加しています。
この場合、「本」は関係節の中で「友達が何を勧めたか」という目的語の位置にあるため que を使います。
2つの文に分けると:
- Je lis un livre.(私は本を読む)
- Mon ami a recommandé ce livre.(友達がこの本を勧めた)
この ce livre(その本)が「友達が勧めたもの」という目的語にあたるので、que で繋げます。
4. qui / que の違いを見分けるコツ
フランス語で文章を組み立てるときは、関係節の中で先行詞がどんな役割をしているのかを必ず考えます。
先行詞の役割 | 使う関係代名詞 | 節の構造例 |
---|---|---|
主語 | qui | qui + 動詞 |
目的語 | que | que + 主語 + 動詞 |
- J’ai un frère qui travaille en Suisse.
(私にはスイスで働いている兄がいます)
→ qui の後ろに travaille という動詞が直接来る。関係節の中ではfrère が主語。 - J’ai un frère que tu connais.
(私にはあなたが知っている兄がいます)
→ que の後ろに主語 tu が来て、その後に connais という動詞が来る。関係節の中では frère が目的語。
5. まとめ
- qui は、関係節の主語として機能し、後ろに「動詞」が来る。
- que は、関係節の目的語として機能し、後ろに「主語+動詞」が来る。
- 関係代名詞 qui / que を使い分けるには、節内での役割でしっかり区別する必要がある。
- 文を作るときは、「関係代名詞の後に何が続くか」を見ると判別がしやすい。