フランス語 C’est と Il est の違い|使い分けルールまとめ

フランス語を学習する中で多くの人が混乱するのが 「C’est」と「Il est」 の使い分けです。
どちらも「〜です」と訳されることが多いですが、使われる場面や文の構造にははっきりとした違いがあります。
今回は、C’est と Il est の基本的な使い方の違い、例文での比較、注意点を詳しく解説します。
1. C’est の用法:名詞や事柄の説明に使う
“C’est 〜” は「これは/それは〜です」という意味の表現です。主に「名詞」や「具体的な事柄」を説明するときに使います
英語で言うと、“This is 〜” に近いニュアンスです。
- C’est Marie.(こちらはマリーです)
- C’est un professeur.(これは先生です/あの人は先生です)
- C’est une bonne idée.(それは良い考えだ)
「C’est+冠詞+名詞」や「C’est +所有形容詞/指示形容詞+名詞」という形で使われます。
名詞を説明するときは必ず冠詞や所有詞が伴う点がポイントです。
2. Il est の基本
一方で、“Il est 〜” は対象の「性質」「属性」「状態」を表すときに使います。「〜である」「〜という性質を持っている」といった意味合いです。
- Il est gentil.(彼は親切だ)
- Il est japonais.(彼は日本人だ)
- Il est tard.(もう遅い)
このように、“Il est 〜”以下には形容詞や冠詞なしの名詞が続きます。
特に、職業・国籍・宗教を表す名詞には冠詞をつけないのは重要なポイントとなります。
3. C’est と Il est の使い分け比較
同じ内容を言いたい場合でも、“C’est” と “Il est” の使い分けによって意味が変わる点に注意が必要です。
例えば、“C’est un professeur.” と “Il est professeur.” はどちらも正しいですが、ニュアンスが若干異なります。
ここでは、両者の使い分けを詳しく見ていきます。
3-1. 職業を表すとき
- C’est un médecin.(彼は医者です)
→ 一般的に医者という肩書きを示す - Il est médecin.(彼は医者です)
→ 職業として医者であることを説明
C’est の場合は「肩書きや立場」にフォーカスし、Il est は「その人の属性」を説明するイメージです。
3-2. 性質や感想を述べるとき
- C’est intéressant.(それは面白い)
→ 出来事や状況に対する評価 - Il est intéressant.(彼/それは面白い人・ものだ)
→ 主語の性質を述べる
C’est は「事柄」や「抽象的な内容」に対する評価、Il est は「対象そのものの性質」を表すと覚えると分かりやすいです。
3-3. 人を紹介するとき
- C’est Marie.(こちらはマリーです)
→ 自己紹介や紹介の場面
人名紹介は必ず「C’est + 名前」を使うのがルールです。「Il est + 名前」は文法的に不自然になるので注意しましょう。
4. まとめ
- C’est:名詞の紹介や指示に使う。例:「C’est + 冠詞 + 名詞」/「C’est + 形容詞(感想)」
- Il est:人や物の性質・職業・国籍を述べる。「Il est + 形容詞」/「Il est + 名詞(冠詞なし)」
- 「紹介=C’est」「説明=Il est」と整理するとわかりやすい。