フランス語では、感情や気持ちを表すときに「形容詞 + que + 文」という構文をよく使います。
特に「être + 感情形容詞 + que」は、喜び・悲しみ・驚きなど様々な感情を伝えるための基本形です。
この構文はしばしば接続法と一緒に使われるため、文法的な注意点もあります。
ここでは、フランス語の代表的な感情表現の構文、その使い方を具体例と共に解説します。
1. 感情表現の構文
フランス語で感情を表すときによく使われるのが、「主語 + être + 感情形容詞 + que + 主語 + 動詞」という形です。
- Je suis content que tu sois là.
(私はあなたがここにいることをうれしく思う)
このとき、que 以下の動詞は接続法現在もしくは接続法過去になるのが原則です。これは、感情表現が「事実」ではなく「話し手の主観や感情的評価」を表すためです。
2. 接続法が使われる理由
感情表現に接続法が伴うのは、話し手が述べているのが客観的な事実ではなく、「そうであることに対する感情」であるからです。
- 事実の文(直説法)
例:Tu es là.(君はここにいる)
→ 客観的事実 - 感情の文(接続法)
例:Je suis content que tu sois là.(君がここにいてうれしい)
→ 主観的感情
直説法は単に事実を述べるのに対し、接続法は事実かどうかに関係なく、そのことに対してどう感じているかを示します。
3. 接続法の時制選択
感情の対象/出来事が現在または未来の場合は、接続法現在を使用します。
- Je suis heureux qu’il vienne demain.
(彼が明日来るのでうれしい)
一方で、感情の対象/出来事がすでに起こっていた場合、接続法過去を使います。
- Je suis surpris qu’il ait oublié.
(彼が忘れたことに驚いている)
4. 主語が同じ場合の変化
もし、感情の主体と que 以下の行為者が同じであれば、「que + 接続法」ではなく「de + 不定詞」を使います。
- Je suis content d’être ici.
(私はここにいるのがうれしい)
この場合、感情表現の主語と行為の主語が一致しているため、2つの節を作る必要がなく、より簡潔な不定詞構文になります。
5. 感情形容詞のバリエーション
以下に、感情を表す際によく使われる形容詞を紹介します。主語が女性の場合、形容詞も女性形(語末に -e)になります。
喜び・満足
- content(e) que …(〜でうれしい)
- heureux / heureuse que …(〜で幸せだ)
- ravi(e) que …(〜で大喜びだ)
悲しみ・残念
- triste que …(〜で悲しい)
- désolé(e) que …(〜で残念だ)
- fâché(e) que …(〜で腹が立つ)
驚き・感情の高まり
- surpris(e) que …(〜に驚く)
- étonné(e) que …(〜に驚く)
- choqué(e) que …(〜にショックを受ける)
6. まとめ
- 「être + 感情形容詞 + que + 接続法」は感情を表す基本パターン。
- 接続法は事実ではなく「主観的感情」を表すときに使う。
- 主語が同じなら「de + 不定詞」に置き換える。
- 感情形容詞はポジティブからネガティブまで幅広く覚えておくと表現力が広がる。
- 接続法の時制選び(現在/過去)で意味が変わることに注意。
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