【フランス語会話フレーズ③】列車の切符を買う

フランス国内を移動するとき、多くの旅行者が利用するのが鉄道です。
TGV(高速鉄道)やTER(地方列車)など、目的地によってさまざまな列車がありますが、切符購入時には行き先や片道・往復の希望などをフランス語で伝える必要があります。
このレッスンでは、駅の窓口で使える基本的な会話表現を学びます。
目的地、出発時間、席の種類などを伝える際に便利なフレーズを取り上げ、自然なやりとりができるようになることを目指します。
会話例

Bonjour. Un aller-retour pour Lyon, s’il vous plaît.
(ボンジュール.アン ナレ・ルトゥール プール リヨン, スィル ヴ プレ)
こんにちは。リヨンまでの往復切符をお願いします。

Pour aujourd’hui ?
(プール オジュルデュイ?)
今日のご利用ですか?

Oui, je voudrais partir vers 10 heures.
(ウィ、ジュ ヴドゥレ パルティール ヴェル ディズール)
はい、10時ごろに出発したいです。

Très bien. Première ou deuxième classe ?
(トレ ビヤン. プルミエール ウ ドゥズィエム クラス?)
かしこまりました。1等ですか、2等ですか?

Deuxième classe, s’il vous plaît.
(ドゥズィエム クラス, スィル ヴ プレ)
2等でお願いします。

Voilà votre billet. Le quai est le numéro 5.
(ヴォワラ ヴォートル ビエ. ル ケ エ ル ニュメロ サンク)
こちらが切符です。5番線になります。

Merci beaucoup.
(メルスィ ボクー)
ありがとうございます。

Voilà votre billet. Le quai est le numéro 5.
(ヴォワラ ヴォートル ビエ. ル ケ エ ル ニュメロ サンク)
こちらが切符です。5番線になります。
重要フレーズの紹介
Un aller-retour pour Lyon, s’il vous plaît.(リヨンまでの往復切符をお願いします)
aller-retour は「往復」、「pour + 地名」 で目的地を表します。「Un aller-retour pour 〜」で「〜までの往復券」を意味する定型表現です。旅行中の移動に必須の表現で、s’il vous plaît を加えることで丁寧さが増します。
Pour aujourd’hui ?(今日のご利用ですか?)
pour(〜のために)+ aujourd’hui(今日)というシンプルな構文で、日付確認の定番フレーズ。券売窓口でよく使われます。
Je voudrais partir vers 10 heures.(10時ごろに出発したいです)
partir(出発する)の不定詞を用いた構文。「Je voudrais + 動詞の不定形」は「〜したいのですが」の丁寧な表現。vers は「〜ごろ」で、時間の目安を伝えるときに便利です。
Première ou deuxième classe ?(1等ですか、2等ですか?)
フランスの列車(TGV)は多くの場合2種類の座席クラスがあります。première classe(1等)、deuxième classe(2等)を使って希望を伝えます。
Le quai est le numéro 5.(番線は5番です)
quai(ケ) は「ホーム、番線」の意味。numéro + 数字 で番線番号を示します。旅行者にとって重要な案内であり、見逃せないキーワードです。
文法のポイント解説
1. 往復切符を買うときの基本構文
aller-retourは、行き(aller)と帰り(retour)を組み合わせた語で、「往復」という意味になります。
これに不定冠詞 un(1つの)をつけて、un aller-retourで「往復切符1枚」となります。
- Un aller-retour pour Lyon(リヨンまでの往復切符1枚)
この「pour + 地名」の形は、目的地を表すときに非常に便利で、以下のように応用できます:
- Un aller-retour pour Paris.(パリまでの往復切符)
- Un aller simple pour Nice.(ニースまでの片道切符)※aller simple(片道)
2. 「〜したい」の丁寧な表現:Je voudrais + 不定詞
「Je voudrais partir ~」は、「〜したいです」と丁寧に伝えるための基本表現です。
Je voudrais は動詞 vouloir(〜が欲しい) の条件法現在。直訳すると「私は〜を望みますが…」という意味になり、柔らかい印象を与えます。
- Je voudrais réserver une place.(席を予約したいのですが)
- Je voudrais acheter un billet.(切符を買いたいのですが)
また、vers 10 heures は「10時ごろ」という意味。「vers + 時間」は、「〜ごろ」「〜くらいに」と時間をぼかして言うときに使います。
3. 等級を尋ねる表現:Première ou deuxième classe ?
フランスの列車では、一般的に2つの座席クラスがあります:
- Première classe:一等車。座席が広く、静かで快適な空間が多い。料金はやや高め。
- Deuxième classe:二等車。通常の標準席で、価格も抑えめ。旅行者の大多数はこちらを利用。
この会話例の「Première ou deuxième classe ?」は、「1等ですか、2等ですか?」という選択肢を提示する表現です。ou は「または/それとも」の意味です。
4. 駅で頻出の語彙:「quai」「numéro」
フランスの駅では、電車が発着するホームを quai(ケ) と呼びます。英語の platform に相当します。
自分の列車が何番ホーム(quel quai)から出発するかは、常に確認が必要です。
Le quai numéro 5 で「5番ホーム」という意味になります。発音上「quai(ケ)」は短く、最後の子音は発音しません。
また、numéro は「番号」を表す名詞です。
- Le quai numéro 1.(1番ホーム)
- Le quai numéro 7.(7番ホーム)
駅構内アナウンスでは数字表現は頻出なので、耳慣れしておくと安心です。
まとめ
- Un aller-retour pour Lyon, s’il vous plaît.:「リヨンまでの往復券をください」という依頼表現
- Je voudrais partir vers 10 heures.:10時ごろに出発したい(条件法現在+不定詞)
- Première / Deuxième classe ?:1等か2等かを尋ねる表現
- Le quai est le numéro 5.:列車のホームを表す、旅行で不可欠な情報