初級

【フランス語文法#19】時刻の表現

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Izumi

フランス語では、時刻の表現に独特のルールがあります。

さらに、「15分」「30分」「〜分前」などを表す特有の言い回しもあり、日本語や英語と異なる表現感覚が求められます。

今回は時刻を尋ねる・答える・説明する場面で役立つ表現を、例文を交えながら解説します。

1. 時刻の基本

フランス語では、現在時刻を表す構文は「Il est + 数詞 + heure(s)」となります。

この文では主語として Il(非人称主語)が使われ、est は être 動詞(~である)の三人称単数形です。

女性名詞
  • 1時(1 heure)の場合は、une heure と女性形単数で表現
  • 2時以降は、heures と複数形になる

フランス語では数字と名詞(この場合は heure)の性・数の一致が必要なため、「1時」のときに un heure(×) としてしまわないよう注意しましょう。

2. 「何時ですか?」と尋ねる表現

時刻を尋ねる際は、“Quelle heure est-il ?”(何時ですか?)という表現を使います。

この表現はよく使われる基本フレーズで、maintenant(今)を加えると丁寧さが増します。

  • Quelle heure est-il maintenant ?(今は何時ですか?)

3. et quart / et demie / moins le quart の使い方

フランス語では「〇時〇分」という表現を、以下のように簡潔に言い換える習慣があります。

表現意味備考
et quart〜時15分quart=「4分の1時間」=15分
et demie〜時半(30分)demieは「半分」
moins le quart次の時刻の15分前「〜時15分前」を意味する

例えば、以下のような言い方ができます。

  • Il est neuf heures et quart.(9時15分)
  • Il est dix heures moins le quart.(9時45分)

4. 時間帯の表現

時間帯の表し方について、日常会話では12時間制が一般的ですが、公共機関や公式な場面では24時間制がよく使われます。

12時間制で話す場合、以下のような表現で午前・午後・夜を区別します。

表現対応する時間帯例文
du matin朝(0時~11時台)Il est huit heures du matin.
de l’après-midi午後(12時~17時台)Il est trois heures de l’après-midi.
du soir夜(18時~23時台)Il est sept heures du soir.

これらの表現は日本語の「朝の〜時」「午後〜時」と同じ感覚で使われます。

また、「正午」や「真夜中」、「◯時ちょうど」は以下のように表します。

表現意味
midi正午(12時)
minuit真夜中(0時)
à quelle heure ?何時に?(予定などを聞くとき)
vers [時刻]~時ごろ(例:vers huit heures = 8時ごろ)
à huit heures précises8時きっかりに

5. まとめ

  • 「Il est + 数詞 + heure(s)」 で基本的な時刻表現ができる。
  • 「15分・30分・45分」の表現には、et quart/et demie/moins le quart を使う。
  • フランス語では時間帯を表す語(du matin など)を付けることで、12時間制でも誤解を避けられる。
  • midi(正午)と minuit(真夜中)もよく使われる時間表現。「Il est midi.(正午です)」のように特別な形式を取る。

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泉(Izumi)
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