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【フランス語文法#61】接続法の基本と時制

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Izumi

フランス語の接続法は、話し手の主観や感情、願望、不確実な出来事などを表すために使われる特別な動詞の形です。

日本語や英語には直接対応する文法がないため、初学者には難しく感じられますが、使われる場面と形を理解すれば自然に使えるようになります。

このレッスンでは、接続法の基本的な役割、現在形・過去形の時制の概要を解説します。

1. 接続法とは?

1-1. 接続法の基本

接続法は、「事実かどうかわからないこと」「感情や評価を含む内容」「条件つきの出来事」など、主観的・非現実的な内容を表すときに使われる動詞の形です。

一般的に使われる「直説法」が事実や確実な出来事を表すのに対して、「接続法」は話し手の主観・不確実性・感情を表すのが特徴です。

  • Je sais qu’il est là.(彼がそこにいることを知っている)
    → 確かな事実=直説法
  • Je doute qu’il soit là.(彼がそこにいるとは思わない)
    → 主観・不確実な疑い=接続法

1-2. 接続法が必要なときの条件

接続法はしばしば que で始まる従属節で使われます。

また、次の3条件がそろうと接続法が使われることが多いです。

  1. 主節と従属節の主語が異なる
    例:Je veux que tu viennes.(私は、君に来てほしい)→ 主語が異なる
  2. 主節の動詞や表現が「願望・感情・必要・疑い」を表す
    例:Il est important que…(〜することが重要だ)
  3. 従属節の内容が不確実または未来のこと
    例:Je souhaite qu’il réussisse.(彼が成功することを願う)

2. 接続法の時制

接続法には主に以下の4つの時制があります。ただし、日常的に使われるのは「接続法現在」と「接続法過去」の2つです。

  • 接続法現在:未来や現在の不確実な出来事を表す。
    例:Il faut que tu viennes.(君は来なければならない)
  • 接続法過去:従属節の出来事が主節よりも前に起こっている場合に使う。
    例:Je suis content que tu sois venu.(君が来てくれてうれしい)
  • 接続法半過去 ※文語的で、現代では滅多に使われない
  • 接続法大過去 ※こちらも現代では滅多に使われない

「接続法半過去」と「接続法大過去」は文語のみで使われる時制で、現代では滅多に使われません。

まずは、「接続法現在」と「接続法過去」を優先的に覚えましょう。

3. 接続法現在

接続法の中でも最もよく使われる形が接続法現在です。接続法現在では、現在または未来の不確実な出来事、願望・感情を表します。

人称接続法語尾活用形(例:parler)
que jeeparle
que tuesparles
qu’il/elle/oneparle
que nousionsparlions
que vousiezparliez
qu’ils/ellesentparlent

このように、規則動詞の多くは「直説法現在の3人称複数形の語幹 + 接続法語尾」で作られます。

4. 接続法過去

接続法過去は、従属節の出来事が主節より前に起こった場合に使います。

接続法過去の構造は、「avoir / être の接続法現在 + 過去分詞」となります。

  • Je suis content que tu aies réussi.
    (君が成功してうれしい)
  • Il est possible qu’elle soit partie.
    (彼女が出発したかもしれない)

助動詞の選び方や過去分詞の一致は、複合過去と同じルールです。

5. まとめ

  • 接続法は、話し手の主観や感情、不確実な出来事を表すための動詞の形。
  • 会話でよく使うのは接続法現在接続法過去
  • 接続法現在は「直説法現在の3人称複数形の語幹+語尾」で作る。
  • 接続法過去は「接続法現在の avoir / être + 過去分詞」で作る。
  • que で始まる従属節で登場することが多い。
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