【フランス語文法#59】進行中の表現:être en train de + 不定詞

フランス語で「〜している最中だ」と言いたいときには、「être en train de + 不定詞」という表現を使います。
この表現は、動作が「ちょうど今進行中である」ことを強調したいときに便利です。
このレッスンでは、構文の作り方と使い方、文法的な仕組み、そして使う場面のニュアンスを解説していきます。
1. 「être en train de + 不定詞」の基本
「être en train de + 不定詞」は、ある動作が進行中であることを伝える表現です。
フランス語の文法には、英語のような「現在進行形」はありません。
その代わりに、この「être en train de + 不定詞」を使うことで、動作が今ちょうど行われていることを表します。
- Je suis en train de lire.(私は今、読書している最中だ)
- Nous sommes en train de travailler.(私たちは今、仕事中だ)
この構文は一般的に現在形で使われますが、過去・未来などさまざまな時制で活用もできます。
2. 「今まさに進行中」であることを強調
「être en train de + 不定詞」は、ただ単に何かをしているというだけでなく、「今まさにその行為の最中である」ことを明確に伝えたいときに使われます。
- Je mange.(私は食べる)
- Je suis en train de manger.(私は今食べている最中だ)
→ こちらの方が、「ちょうど今」にフォーカスされている
通常の現在形では進行中であることが曖昧になるため、時間の「今」に焦点を当てたいときにこの表現を使うと効果的です。
3. 時制に応じた être の活用が必要
この構文は être が核となるため、主語と時制に応じて être の活用を変える必要があります。
- 【現在形】Je suis en train de lire.(読んでいるところだ)
- 【半過去】J’étais en train de lire.(読んでいるところだった)
- 【単純未来】Je serai en train de lire.(読んでいるところだろう)
こうした時制の変化によって、その時点で動作が進行中であるというニュアンスを自在に表現できます。
4. de の変化(d’になるケース)
「en train de」の de の直後に来る動詞が母音または無音の h で始まる場合、de はリエゾンして d’ になります。
- Je suis en train d’écouter.(今聴いている最中です)
- Elle est en train d’habiter ici.(彼女は現在ここに住んでいます)
これは文法的なルールであり、意味自体に変化はありません。
5. よく使われる動詞の例
この構文は、以下のような動作を表す動詞と相性がよく、頻繁に使われます。
- manger(食べる)
- faire(する)
- regarder(見る)
- écrire(書く)
- lire(読む)
- attendre(待つ)
- parler(話す)
「être en train de + 不定詞」と合わせることで、いずれも「今ちょうど〜している」というリアルタイム性を伴った表現にできます。
6. まとめ
- 「être en train de + 不定詞」は「〜している最中だ」という意味を持つ構文。
- ある動作が進行中であることを強調したいときに使う。
- 英語の “be + doing”(進行形)に近い感覚を、フランス語ではこの構文で表す。
- être の活用は主語と時制に応じて変える必要がある。
- 不定詞が母音・無音の h で始まる場合は de → d’ に短縮。