【フランス語文法#70】不定代名詞 on
Izumi French Garden
直説法前過去は、過去の出来事を語るときに「ある過去の出来事よりもさらに前に完了していた動作」を表すための時制です。
会話で使う直説法大過去と近い意味を持ちますが、直説法前過去は「書き言葉の大過去」にあたります。そのため、前過去は主に文学や歴史的叙述の中で使われます。
今回は、書き言葉専用の複合時制である直説法前過去について、その構造や使い方、注意点などを解説していきます。
直説法前過去は、主に文学や歴史的叙述の中で使われる複合時制です。小説や歴史的な叙述で、ある過去の出来事よりさらに前の出来事を表すために使われます。
そして直説法前過去は「助動詞 avoir / être の単純過去形 + 過去分詞」の形で構成されます。
助動詞の選び方は複合過去や大過去と同じで、移動を表す一部の動詞(aller, venir, naître, mourir など)や再帰動詞は être を使います。
前過去は、ある出来事が別の過去の動作よりも前に完了していたことを表します。
「彼の到着」よりも前に「彼女が仕事を終える」という出来事が起こっているため、前過去を使い「時系列」を明確にしています。
歴史や物語の描写において、過去の事実関係をより正確に伝えるために使われます。
「静けさが広がった」という出来事の前に、「彼が出発したこと」が完了している点を前過去で表しています。
直説法前過去と直説法大過去は「ある過去の出来事よりも前の出来事」を表す点では同じですが、使用される場面が異なります。
項目 | 直説法前過去 | 大過去 |
---|---|---|
構造 | 助動詞の単純過去形+過去分詞 | 助動詞の半過去形+過去分詞 |
用途 | 書き言葉(文学、歴史的叙述) | 話し言葉、日常会話 |
ニュアンス | 格式ばった、叙述的 | 自然、日常的 |
頻度 | 現代では読解中心 | 会話・文章の両方で使用 |
直説法前過去は会話では使うことのない時制ですが、小説や歴史的文章には頻繁に登場します。
特に、同じく書き言葉専用の「直説法単純過去」とセットで使われることが多いので、両者を関連づけて覚えると理解しやすくなります。