【フランス語文法#16】venir の現在形と近接過去

フランス語の動詞 venir は「来る」という意味で、非常によく使われる基本動詞のひとつです。
この動詞は単に移動を表すだけでなく、venir de + 不定詞という形で「たった今〜した」という近接過去の表現にも使われます。
今回は venir の現在形の活用と、venir を使った近接過去の表現方法について学びます。
1. venir の基本的な意味と特徴
venir は英語の “come” に相当する動詞で、「来る」という意味を持っています。
フランス語では、移動に関する基本動詞 aller(行く)、venir(来る)は頻出語彙であり、特に会話の中で日常的に使われます。
venir は不規則動詞に分類されるため、活用が規則的なパターンから外れます。まずは現在形の活用を確認しておきましょう。
主語 | venir の活用 | 意味 |
---|---|---|
je | viens | 私は来る |
tu | viens | 君は来る |
il / elle / on | vient | 彼/彼女/私たちは来る |
nous | venons | 私たちは来る |
vous | venez | あなた(たち)は来る |
ils / elles | viennent | 彼ら/彼女たちは来る |
2. venir の語幹変化
venir は不規則動詞の中でも特に変化が大きいグループに入ります。
現在形では、語幹 vien- と ven- が交互に現れます。
- je viens(vien-)
- tu viens(vien-)
- il vient(vien-)
- nous venons(ven-)
- vous venez(ven-)
- ils viennent(vienn-)
この交互パターンに慣れるためには、活用表を何度も音読しながら口になじませるのが効果的です。
また、venir から派生する単語 revenir(戻ってくる)、devenir(〜になる)なども同じ活用パターンを取るため、基礎として押さえておくと後々役立ちます。
3. 近接過去とは?
近接過去は、ついさっき起きた出来事を表す時に使う便利な表現です。
日本語では「〜したところだ」「ちょうど〜したばかりだ」と訳されることが多いです。
近接過去の構文は「venir(現在形)+ de + 不定詞」で作ります。
- Je viens de manger.(私は今食べたところだ)
これは、英語の “I have just eaten.” に近いニュアンスを持っています。ただし、フランス語では過去形ではなく、現在形の活用を使う点に注意が必要です。
4. 近接過去のニュアンス
近接過去は、普通の過去形とはニュアンスが異なります。
過去形が単なる過去の事実を述べるのに対して、近接過去は、今まさに起きたばかりの出来事を強調するのが特徴です。
例えば、英語では以下のように表現します。
- I ate lunch.(昼食を食べた)
→ 過去形 - I have just eaten lunch.(昼食を食べたばかりだ)
→ 近接過去に近い
フランス語では以下のようになります。
- J’ai mangé.(私は食べた)
→ 複合過去(英語の過去形に相当する時制) - Je viens de manger.(私は今食べたところだ)
→ 近接過去
5. まとめ
- venir は「来る」という意味の不規則動詞で、現在形の活用は 「viens, viens, vient, venons, venez, viennent」
- 「venir(現在形)+ de + 不定詞」で、「たった今〜した」という近接過去を表現できる。
- 近接過去は、過去形とは異なり、ごく最近完了したばかりの出来事を伝えたいときに使う。