#222 誤解を解く|フランス語の生活フレーズ

仕事や日常のコミュニケーションの中では、ちょっとした言い回しや認識の違いから誤解が生まれることがあります。
その際は、相手を否定するのではなく、「意図を補足する」「認識をすり合わせる」といった形で丁寧に誤解を解くことが重要です。
今回は、誤解を解く際に役立つフランス語表現を、会話例の流れに沿って解説します。
会話例

Donc, vous ne souhaitez pas continuer ce projet ?
(では、このプロジェクトを続けるつもりはないのですか?)

Je crois qu’il y a un malentendu.
(少し誤解があるようです)

Ah bon ?
(そうなのですか?)

Ce que je voulais dire, c’est que nous devons revoir le planning.
(私が言いたかったのは、スケジュールを見直す必要があるということです)

Je vois, je comprends mieux maintenant.
(なるほど、よく分かりました)

Désolé si je me suis mal exprimé.
(うまく伝えられなかったのであれば申し訳ありません)
1. 誤解があることを伝える
誤解を解くときは、最初から相手の理解を否定するのではなく、まずは状況を丁寧に示すことが大切です。
- Je crois qu’il y a un malentendu.
(少し誤解があるようです)
“Je crois que 〜” は「私は〜だと思います」という意味で、断定を避けつつ、控えめに意見を伝えるクッション表現としてよく使われます。
“Il y a un malentendu.”(誤解があります)というストレートな言い方と比べて、“Je crois que 〜”の方は「こちらの見方ではそう思われます」という余地を残しており、相手に圧力をかけにくい言い方になります。
- Je pense qu’il y a un problème.
(少し問題があると思います) - Il me semble qu’il y a une confusion.
(少し行き違いがあるように思われます)
また、“il y a” は「〜がある」「〜がいる」という、「存在」を示す表現です。ここでは “un malentendu” を用いて、「誤解という状況が存在している」と述べています。
このように “il y a” を使うことで、誤解の原因について相手ではなく状況に焦点を当て、相手との関係を保ちながら誤解を修正する言い方にできます。
- Vous avez mal compris.
(あなたは誤解しています)
→ 相手を責める印象になる。 - Il y a un malentendu.
(誤解があります)
→ 状況に焦点を当てることで、角を立てない言い方にできる。
2. 本来の意図を説明する
次に、自分が本来伝えたかった内容を改めて相手に説明します。
- Ce que je voulais dire, c’est que nous devons revoir le planning.
(私が言いたかったのは、スケジュールを見直す必要があるということです)
文全体の骨組みとなるのが、 “Ce que ~, c’est …” という構文です。
これは、「〜すること/〜であるものは、…だ」 という形で、言いたい内容を前に取り出して強調する表現です。
今回の文を分けて見ると、次のようになります。
- Ce que je voulais dire
(私が言いたかったこと) - c’est que nous devons revoir le planning
(それは、スケジュールを見直す必要があるということです)
この構文の特徴は、「私が言いたかったこと、それは〜です」と、話の中心になる内容をはっきり示せることです。
誤解を解く場面では、「本当に伝えたかったことはこれです」と整理して言い直す必要があるため、 “Ce que ~, c’est …” の構文が非常に役立ちます。
また、“je voulais dire” の voulais は、動詞 vouloir の半過去形です。ここで半過去が使われているのは、「その時点で自分が伝えようとしていた意図」を振り返って述べているからです。
- Je veux dire ~
(今、〜と言いたい)
→ 現在形を使うと、その場で今まさに説明を補足するニュアンスになる - Je voulais dire ~(私が言いたかったのは〜でした)
→ 半過去形で「先ほどの発言について言い直す」となる
そして、後半の“ c’est que ~” の que は、後ろの文(内容)を導く接続詞で、「〜ということ」という意味合いを持ちます。
“c’est que + 文” の形にすることで、後ろに来る文全体をひとまとまりの内容として提示できます。
つまり、「私の意図はこういうことでした」と一つの考えや説明全体を示すことができるので、誤解を解く場面に最適な表現です。
3. 誤解を招いたことを謝罪する
誤解を解く際は、相手の理解を否定するのではなく、自分の伝え方にも問題があったことを示すと、相手との良好な関係を保つことができます。
- Désolé si je me suis mal exprimé.
(うまく伝えられなかったのであれば申し訳ありません)
Désolé は、「申し訳ありません」「すみません」という意味で使われる形容詞です。話し手の性別に応じて désolé / désolée と語尾が変わります。
- 男性話者:Désolé
- 女性話者:Désolée
次の “si je me suis mal exprimé” は、「もし〜であれば」を表す接続詞 si の後に、再帰動詞 s’exprimer を使った複合過去が続いています。
ここでの si は仮定を表し、断定を避けて丁寧に謝意を伝える役割があります。
“s’exprimer” は「自分の考えや意図を表現する」という意味の再帰動詞で、複合過去では助動詞 être を用います。なお、再帰動詞の複合過去では、主語に応じて過去分詞 exprimé / exprimée が性一致します。
- 男性:Je me suis mal exprimé
- 女性:Je me suis mal exprimée
mal は副詞で、「うまく」「適切に」といった意味で、動詞 s’exprimer の仕方(どのように表現したか)を修飾しています。
さらに、ここで複合過去が使われているのは、「すでに発言した内容」に対する振り返りを表しているためです。
- Je m’exprime mal.
(私は話すのが下手です)
→ 現在形だと「普段からそうである」という意味合いになる。 - Je me suis mal exprimé.
(さっきの言い方がよくなかったです)
→ 複合過去を使うことで、今回の発言に限定した自己修正になる。
つまり、今この瞬間の状態ではなく過去に焦点を当てて、「あの言い方はよくなかった」と述べています。
まとめ
- Je crois qu’il y a un malentendu.
→ 誤解があることを柔らかく伝える。 - Ce que je voulais dire, c’est que ~
→ 本来の意図を説明する。 - Désolé si je me suis mal exprimé.
→ 自分の伝え方が悪かったことを謝罪する。




