#65 部下に指示を出す時の表現|フランス語のビジネスフレーズ

職場では、上司が部下に「この書類を準備してください」「会議の予定を確認してください」といった具体的な指示を出す場面が多くあります。
フランス語では、命令形を使ったシンプルな指示から、丁寧さを加えた表現までさまざまな言い方があります。
今回は、ビジネスシーンで部下に指示を出す際に役立つフランス語表現と文法のポイントを解説します。
会話例

Bonjour, pouvez-vous préparer le dossier pour la réunion de cet après-midi ?
(こんにちは、今日の午後の会議用の資料を準備してもらえますか?)

Oui, je m’en occupe tout de suite.
(はい、すぐに取りかかります)

Merci. Et envoyez aussi un e-mail de confirmation à l’équipe, s’il vous plaît.
(ありがとう。それからチームに確認のメールも送ってください)

Très bien, ce sera fait avant midi.
(承知しました。正午までに済ませます)
1. 命令形を使ったシンプルな指示
フランス語の命令形は、相手に「〜してください」と伝えるときに使います。
- Préparez le dossier.
(資料を準備してください) - Envoyez un e-mail.
(メールを送ってください)
敬称である vous形を使う方がビジネスでは適切です。tu形(Prépare, Envoie)は親しい関係でのみ使用します。
また、命令形は主語を付けません。否定するときは Ne … pas を動詞の前後に置きます。
- Ne partez pas avant la réunion.
(会議の前に出発しないでください)
2. Pouvez-vous … ? を使った丁寧な依頼
命令形の代わりに“Pouvez-vous … ?”(〜していただけますか?)を使うと、柔らかく丁寧な響きになります。
- Pouvez-vous préparer le dossier pour demain ?
(明日のために資料を準備していただけますか?) - Pouvez-vous vérifier les chiffres ?
(数字を確認していただけますか?)
“Pouvez-vous … ?” は依頼表現ですが、実際には「〜してください」と同じ意味で使うことができます。
3. s’il vous plaît でさらに丁寧に
指示や依頼の最後に “s’il vous plaît”(お願いします)を加えると、より礼儀正しい印象になります。
- Envoyez le rapport, s’il vous plaît.
(報告書を送ってください) - Vérifiez les horaires, s’il vous plaît.
(スケジュールを確認してください)
4. 指示を出す時のバリエーション
同じ内容でも、場面や人間関係に合わせて表現を変えるとスマートです。
- Je voudrais que vous prépariez le dossier.
(その資料を準備していただきたいです) - Il faut envoyer ce mail aujourd’hui.
(このメールは今日送る必要があります) - Merci de vérifier les chiffres.
(数字の確認をお願いします)
これらの表現を使い分けることで、「命令」ではなく「依頼」として伝えることができ、ビジネス上の人間関係も円滑になります。
5. 部下からの応答例
指示を受ける側も、適切な返答をすることが重要です。
- Oui, je m’en occupe.
(はい、私が対応します) - Ce sera fait tout de suite.
(すぐにやります) - Pas de problème.
(問題ありません) - D’accord, je vais le faire.
(わかりました、やります)
返答の仕方を知っておけば、上司と部下のやり取りがスムーズになります。
まとめ
- 命令形(Préparez, Envoyez)
→ 直接的で端的な指示。 - Pouvez-vous … ?
→ 柔らかく丁寧な依頼表現。 - s’il vous plaît
→ お願いに丁寧さを加えるフレーズ。 - 表現のバリエーション
→ “Il faut …”, “Merci de …” などで自然に依頼できる。




