【フランス語文法#49】疑問副詞の使い方

フランス語で「いつ?」「どこ?」「なぜ?」「どうやって?」と質問をするときに使う言葉が「疑問副詞」です。
これは疑問文を作るうえで欠かせない語群であり、日常会話でも頻繁に登場します。
このレッスンでは、代表的な疑問副詞とその使い方、文中での位置や語順のルールについて学んでいきます。
1. 疑問副詞の基本
疑問副詞とは、動作や状態に関する補足情報(時間・場所・方法・理由・数量など)をたずねるために使う副詞です。
たとえば、「彼は来るの?」とたずねる文は Yes/No 疑問文ですが、「いつ来るの?」「なぜ来るの?」といった文には疑問副詞が必要です。
以下は代表的な疑問副詞とその意味・使い方です。
代表的な疑問副詞
疑問副詞 | 意味 | 主な用法の例 |
---|---|---|
Quand | いつ | Quand est-ce que tu arrives ?(いつ来るの?) |
Où | どこで/どこに | Où est la gare ?(駅はどこ?) |
Pourquoi | なぜ | Pourquoi tu ris ?(なぜ笑うの?) |
Comment | どうやって/どんなふうに | Comment ça marche ?(どうやって動くの?) |
Combien | いくら/どれくらい | Combien ça coûte ?(これはいくら?) |
これらの副詞はすべて文の冒頭に置かれ、その後に「est-ce que構文」や「倒置構文」が続くのが基本的な形です。
2. est-ce que 構文(標準的)
「疑問副詞 + est-ce que + 主語 + 動詞…?」は、フランス語で最も広く使われる疑問文の形です。
- Quand est-ce que tu pars ?
(君はいつ出発するの?) - Pourquoi est-ce qu’il pleure ?
(彼はなぜ泣いているの?) - Comment est-ce que ça fonctionne ?
(それはどうやって動くの?)
この構文は、語順が変わらないため初心者にもわかりやすく、会話でも文章でも使いやすいスタイルです。
3. 倒置構文(文語的・フォーマル)
倒置構文の疑問文では、主語と動詞を入れ替えて「疑問副詞 + 動詞 + 主語」の形にします。
- Où est le restaurant ?(レストランはどこですか?)
- Comment fonctionne cette machine ?(この機械はどうやって動きますか?)
倒置を使った構文は文語やフォーマルな文章で好まれ、疑問副詞の直後に動詞が来る点が特徴です。
4. 口語的な構文(カジュアル)
「疑問副詞 + 主語 + 動詞」と語順はそのままで、イントネーションで表す疑問文もあります。
- Pourquoi tu es en retard ?(なんで遅れたの?)
- Comment tu fais ça ?(それどうやってやるの?)
この構文は家族や友人と話すときなど、カジュアルな会話でよく使われます。
5. Combien の使い方に注意
疑問副詞 Combien は、「どれくらい」「いくら」「何人」など、数量や量に関する質問で使います。
単独で使われることもありますが、「de + 名詞」を伴ってより具体的な対象を示す場合もあります。
- Combien ça coûte ?(これはいくら?)
- Combien de personnes sont là ?(何人いますか?)
- Combien de temps est-ce que tu as ?(どのくらい時間ある?)
「Combien de + 名詞」の形では、後続の動詞の活用(単数/複数)にも注意が必要です。
6. 疑問副詞と疑問代名詞の違い
混乱しやすいのが、疑問副詞と疑問代名詞の違いです。整理すると以下のような使い分けとなります。
種類 | たずねる対象 | 例 | 意味 |
---|---|---|---|
疑問副詞 | 状況・理由・方法など | Pourquoi ? | なぜ? |
疑問代名詞 | 人・物そのもの | Qui ? / Que ? | 誰?/何? |
たとえば “Qui est là ?”(誰がそこにいる?)は人をたずねる文です。
一方で、“Pourquoi est-il là ?”(なぜ彼はそこにいる?)は状況・理由をたずねる文となっています。
7. まとめ
- 疑問副詞は、「いつ」「どこ」「なぜ」「どうやって」「どれくらい」といった動作や状態の補足情報を尋ねる語。
- 語順は3種類:est-ce que 構文(標準・丁寧)/倒置構文(文語・フォーマル)/口語構文(カジュアル)
- Combien は「de + 名詞」の形でより具体的にたずねることも多い。
- 疑問副詞は疑問代名詞と異なり、「人や物そのもの」ではなく、「その周辺の情報」をたずねるときに使う。