【初級文法㉑】名詞と動詞の一致

フランス語では、主語が変わると動詞の形(活用)も変わるという特徴があります。
主語と動詞を一致させるルールは、フランス語の文を正しく作るうえで避けては通れない重要な項目です。
このレッスンでは、フランス語の名詞と動詞の一致の仕組みとルールを学び、文を正しく構成できる力を養います。
名詞と動詞の一致とは?
基本的なルール
フランス語では、主語の人称(1人称、2人称、3人称)と数(単数/複数)に応じて、動詞が必ず活用(=形を変える)必要があります。
これは代名詞だけでなく、人名や物の名前などの「名詞が主語になるときも同じルール」が適用されます。
例えば:
- Le garçon parle.(その男の子は話す)
→ 「le garçon」は3人称単数なので、parler を3人称単数形「parle」に変える。 - Les enfants jouent.(子どもたちは遊ぶ)
→ 「les enfants」は3人称複数なので、jouer を3人称複数形「jouent」に変える。
活用の基本(1群動詞 parler の現在形)
主語 | 活用形 | 例文 |
---|---|---|
je(私) | mange | Je mange une pomme.(私はリンゴを食べる) |
tu(君) | manges | Tu manges du pain.(君はパンを食べる) |
il / elle / on(彼・彼女・人) | mange | Il mange une banane.(彼はバナナを食べる) |
nous(私たち) | mangeons | Nous mangeons ensemble.(私たちは一緒に食べる) |
vous(あなた/あなたたち) | mangez | Vous mangez à midi.(あなたは正午に食べる) |
ils / elles(彼ら・彼女たち) | mangent | Ils mangent beaucoup.(彼らはたくさん食べる) |
このように、「人称」と「数」に注目して動詞の形を決めるのがポイントです。
ポイント解説
例文と解説
Le garçon parle français.|その男の子はフランス語を話す。
主語「le garçon」は3人称単数なので、parler の3人称単数形「parle」を使用。男性か女性かは関係なく、単数かどうかで活用を決めます。
Les enfants jouent dans le parc.|子どもたちは公園で遊ぶ。
「les enfants」は3人称複数なので、 jouer の3人称複数形「jouent」。主語が複数形の名詞なら常に複数形の動詞活用を使います。
Marie et moi regardons un film.|マリーと私は映画を観る。
「Marie et moi」は「私たち(nous)」に相当するので、regarder の1人称複数形「regardons」を使用。代名詞に置き換えて考えるとスムーズです。
Paul aime la musique.|ポールは音楽が好きだ。
「Paul」は3人称単数なので、 aimer の3人称単数形「aime」を使います。人名は代名詞「il / elle」で考えるとわかりやすいです。
Mes amis vont au cinéma.|私の友達は映画館に行く。
「mes amis」は複数形なので、 aller の3人称複数形「vont」を使用。不規則動詞でも人称と数に応じて正しい形にする必要があります。
名詞主語でも「人称+数」を考える
動詞の活用は、代名詞のときだけでなく、名詞が主語のときも同じです。つまり、
- 単数の人名や物 → 3人称単数
- 複数の人名やグループ名 → 3人称複数
と考えて動詞を選びます。
- Marie parle espagnol. → Marie = elle(3人称単数)→ parle
- Marie et Sophie parlent espagnol. → 彼女たち = elles(3人称複数)→ parlent
「〜と私」「〜と君」の扱い方
複数の人や自分・相手を含むときは、それぞれnousまたはvousと同じ扱いになります。
- Marie et moi = nous(私たち) → parlons, mangeons, allons
- Paul et toi = vous(あなたたち) → parlez, mangez, allez
このように、代名詞に言い換えると正しい活用が選びやすくなります。
まとめ
- フランス語では、主語が代名詞でも名詞でも、動詞の形(活用)は主語の「人称と数」に応じて変化する。
- 主語が複数なら動詞も複数形、主語が単数なら動詞も単数形にするのが原則。
- 複数の主語(〜と私、〜と君など)は「nous」「vous」に言い換えて考えると便利。
- 見た目ではなく文法的な人称・数に注目して動詞を選ぶことが、正しい文章づくりの鍵。