初級

【フランス語文法#21】名詞と動詞の一致

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Izumi

フランス語では、主語が変わると動詞の形(活用)も変わるという特徴があります。

主語と動詞を一致させるルールは、フランス語の文を正しく作るうえで避けては通れない重要な項目です。

今回は、フランス語の名詞と動詞の一致の仕組みとルールを解説します。

1. 名詞と動詞の一致

1-1. 基本的なルール

フランス語では、主語の人称(1人称、2人称、3人称)と数(単数/複数)に応じて、動詞が必ず活用(=形を変える)必要があります。

これは代名詞だけでなく、人名や物の名前などの名詞が主語になるときも、同じルールが適用されます。

  • Le garçon parle.(その男の子は話す)
    → 「le garçon」は3人称単数なので、parler を3人称単数形「parle」に変える。
  • Les enfants jouent.(子どもたちは遊ぶ)
    → 「les enfants」は3人称複数なので、jouer を3人称複数形「jouent」に変える。

1-2. 活用の基本(第1群規則動詞 parler の現在形)

主語活用形例文
je(私)mangeJe mange une pomme.(私はリンゴを食べる)
tu(君)mangesTu manges du pain.(君はパンを食べる)
il / elle / on(彼・彼女・人)mangeIl mange une banane.(彼はバナナを食べる)
nous(私たち)mangeonsNous mangeons ensemble.(私たちは一緒に食べる)
vous(あなた/あなたたち)mangezVous mangez à midi.(あなたは正午に食べる)
ils / elles(彼ら・彼女たち)mangentIls mangent beaucoup.(彼らはたくさん食べる)

このように、「人称」と「数」に注目して動詞の形を決めるのがポイントです。

2. 名詞主語でも「人称・数」を意識する

動詞の活用は、人称代名詞のときだけでなく、名詞が主語のときも同じです。

  • 単数の人名や物 → 3人称単数
  • 複数の人名やグループ名 → 3人称複数

名詞の「人称・数」を意識して動詞を活用させるのが重要です。

  • Marie parle espagnol. (マリーはスペイン語を話す)
    → Marie = elle(3人称単数)なので「parle」
  • Marie et Sophie parlent espagnol. (マリーとソフィーはスペイン語を話す)
    → 彼女たち = elles(3人称複数)なので「parlent」

3. 複数人表現について

主語が複数人だったり、「私たちは〜」のように自分と相手を含むときも、nous または vous と同じ扱いになります。

  • Marie et moi = nous(私たち) 
  • Paul et toi = vous(あなたたち) 

このように、代名詞に言い換えると正しい活用が選びやすくなります。

4. 名詞の見た目と文法的な数が異なるケース

注意点として、見た目上の「数」と意味的・文法的な「数」が異なるケースも少なからずあります。

4-1. gens(人々) = 複数形

  • Les gens sont sympas.(人々は感じが良い)

「人々」を意味する gens は、常に複数形となります。そのため、être の3人称複数 sont を使います。

4-2. famille(家族) = 単数形

  • La famille part demain.(その家族は明日出発する)

一方、「家族」を意味する famille の場合、こちらは単数として扱われます。そのため、動詞は3人称単数形 part を使います。

5. まとめ

  • フランス語では、主語が代名詞でも名詞でも、動詞の形(活用)は主語の「人称と数」に応じて変化する。
  • 主語が複数なら動詞も複数形、主語が単数なら動詞も単数形にするのが原則。
  • 複数の主語(〜と私、〜と君など)は「nous」「vous」に言い換えて考えると便利。
  • 見た目ではなく文法的な人称・数に注目して動詞を選ぶことが、正しい文章づくりの鍵。
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泉(Izumi)
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