【フランス語文法#47】複文の作り方

フランス語では、2つ以上の文や文節をつなげて「複文」を作ることで、考えや情報をより豊かに表現できます。
その際に使われるのが接続詞です。英語の and, but, because に相当する「et」「mais」「car」などを使いこなすことで、表現の幅が大きく広がります。
このレッスンでは、初学者が最初に覚えるべき5つの基本的な等位接続詞「et(そして)/mais(しかし)/ou(または)/car(なぜなら)/donc(だから)」を取り上げ、それぞれの使い方や意味の違いを学んでいきます。
1. 接続詞を使った複文について
フランス語の文は、1つ1つが「主語 + 動詞」というシンプルな構造でできています。この単文を2つ以上つなげると、複文になります。
そして、文と文をつなげるときに使うのが接続詞です。接続詞を使うことで、次のように文の関係を明確に伝えることができます:
- et:情報の追加 →「A そして B」
- mais:対立や反対 →「A しかし B」
- ou:選択 →「A または B」
- car:理由 →「A なぜなら B」
- donc:結果 →「A だから B」
これらの接続詞は、語順を大きく変える必要がなく、文の間に差し込むだけで複文を作ることがっできます。
2. 接続詞のポイント解説
2-1. et(そして/〜と)
et は最も基本的な接続詞のひとつで、文と文、語と語を並列に結ぶ働きをします。
- Je mange une pomme et je bois du thé.
(私はリンゴを食べて、紅茶を飲む)
例文を見ると、「私はリンゴを食べる」という1文と、「私は紅茶を飲む」という1文を、et でつなげています。
注意点として、それぞれの動作に主語がある場合でも、フランス語では主語を繰り返すのがルールです(英語のように省略しない)。
2-2. mais(しかし/でも)
mais は、前の文と後の文が対立する内容や矛盾する情報のときに使います。
- Il veut sortir, mais il pleut.
(彼は出かけたがっているが、雨が降っている)
「出かけたい」と「雨が降っている」という2つの情報を、mais が逆接的につなぐ役割を果たしています。
このように mais を使うことで、「話し手の想定と異なる結果」や「予想外の状況」を表すことができます。
2-3. ou(または/あるいは)
ou は選択肢の提示、つまり「AかBか」のように2つの可能性を並列します。
- Tu veux du café ou du thé ?(君はコーヒーがいい?それとも紅茶?)
質問の中で選択肢を出している構文です。口語ではイントネーションで選択の幅を調整することもあります。
2-4. car(なぜなら)
car は「理由」や「根拠」を補足する接続詞です。前の文に対して「なぜなら〜だから」と説明を加える役割を果たします。
- Je reste à la maison, car je suis fatigué.
(私は家にいる、なぜなら疲れているから)
例文のように、前の文の理由を後から説明するのが car の特徴です。
ただし、car はやや書き言葉的な表現です。日常会話では代わりに parce que(〜だから)を使うことが多いです。
2-5. donc(だから/それで)
donc は「結果」や「結論」を表す接続詞で、前の文を受けて「その結果〜」と続けるときに使います。
- Il est malade, donc il ne vient pas.
(彼は病気なので、来ない)
前の文が原因(病気である)で、後の文が結果(来ない)という構造です。
donc は論理的な文脈を作るのに便利で、会話はもちろん文章でもよく使われます。
3. まとめ
- フランス語では、接続詞を使うことで単文を複文に発展させ、より豊かで論理的な表現ができる。
- et, mais, ou, car, donc は基本の接続詞。それぞれ「追加・対立・選択・理由・結果」を示す。
- 文の語順は「主語+動詞」を基本に、接続詞の前後で崩さないことが大切。
- car は書き言葉向け、parce que は口語向けと使い分けを意識する。