【フランス語文法#46】数詞の使い方(基数 / 序数 / 数量表現)

フランス語では、数字や数の表現に関する文法が細かく決まっています。
「1つ、2つ」といった数そのもの(基数詞)と、「1番目、2番目」といった順序を表す言葉(序数詞)は別物です。
また、「たくさんの〜」「少しの〜」のような数量を表す表現にも独自のルールがあります。
このレッスンでは、これらの数詞の使い方を文法・文脈の両面から学んでいきます。
1. 基数詞:数字そのものを表す言葉
基数詞とは、「1, 2, 3…」といった、物の数量や人数を直接的に示す言葉です。
フランス語では、名詞の前に置いて「何個」「何人」などの数を表します。
- un livre(1冊の本)
- une pomme(1つのリンゴ)
- deux enfants(2人の子ども)
- trois stylos(3本のペン)
数字 1 を指す un / une は性によって形が変わります。男性名詞には un、女性名詞には une をつけます。
2以上の数詞(deux, trois, etc.)には性の違いはありません。また、数字の後の名詞は複数形になります(例:deux livres)
2. 序数詞:順序や順位を表す言葉
序数詞は、「1番目」「2番目」「3番目」のように、順番や順位を示すときに使います。
基本的には、基数詞に接尾語 -ième をつけることで作ります。
- le premier jour(最初の日)
- la première fois(最初の回)
- le deuxième chapitre(第2章)
- au troisième étage(3階に)
- la quatrième page(4ページ目)
「1番目」は例外的に premier(男性)/ première(女性)となる不規則形です。
その他の序数詞(deuxième, troisième…)は性による変化はなく、名詞の性に一致させて冠詞だけ変えます。
また、序数詞は基本的に名詞の前に置きます。
3. 数量表現:「いくつ」「どれくらい」を表す表現
数量表現とは、「たくさんの〜」「少しの〜」「〜すぎる」など、はっきりとした数ではなく、量や程度を示す言い方です。
これらは、以下のような構文で使われます:
- beaucoup de + 名詞(たくさんの〜)
- un peu de + 名詞(少しの〜)
- trop de + 名詞(〜すぎる)
- assez de + 名詞(十分な〜)
4. 数詞表現のポイント
4-1. 基数詞と冠詞の違い
un / une は「1つの〜」という意味の数詞ですが、同時に不定冠詞(un / une)としても使われます。
そのため、文脈によって「1つの〜」なのか「ある〜」なのかを判断する必要があります。
- Il a un frère. (彼には兄弟が1人いる/彼にはある兄弟がいる)
上記の例文では、数を強調したいときは「1人」、文脈で曖昧なときは「ある〜」と訳すことができます。
また、複数の場合は deux, trois, quatre… を使い、冠詞は不要になります。
4-2. 数量表現は「de + 無冠詞名詞」が鉄則
beaucoup(たくさん)、un peu(少し)、trop(〜すぎる)など、これらの数量表現のあとに来る名詞には、冠詞(le, un など)をつけてはいけません。
必ず「de + 無冠詞名詞」 の形を使います
- ◯ beaucoup de café(たくさんのコーヒー)
- × beaucoup du café → 誤り
これは英語の “a lot of coffee” に相当します。冠詞を入れてしまうと意味が不自然になります。
5. まとめ
- 基数詞(un, deux, trois…)は数量を直接示す。名詞の前に置き、名詞は複数形になる。
- 序数詞(premier, deuxième…)は順番を表し、名詞の性に応じて一致させる。名詞の前に置く。
- 数量表現(beaucoup de, un peu de など)は「de + 無冠詞名詞」の構文で使うのが文法上のルール。