【フランス語文法#40】単純未来

フランス語で未来を表すには、「aller + 不定詞(近接未来)」と「単純未来」の2つの方法があります。
今回学ぶ単純未来は、「〜するだろう」「〜するつもりだ」などの意味を持ち、予定や意志、予測などを表現するために使います。
このレッスンでは、単純未来の意味や使い方を例文を通して学んでいきます。
1. 単純未来とは?
「単純未来」は、フランス語で未来の出来事や動作を表す時制のひとつです。
特に、話し手の意志・予測・確信・約束・計画などを含むときに使われます。
- 計画された予定:「私は来週旅行する予定です」
- 予測や見込み:「きっと彼は成功するだろう」
- 話し手の意志・希望:「私はあなたを助けます」
- 条件文(si節)との組み合わせ:「もし雨が降れば、私は家にいる」
単純未来の作り方(規則動詞)
単純未来の基本的な構造は、動詞の不定詞(原形)に「-ai, -as, -a, -ons, -ez, -ont」を付けます。
ただし、-re 動詞は語尾の「e」を落としてから語尾をつけます(例:vendre → vendrai)。
人称 | 語尾 | 例(parler) |
---|---|---|
je | -ai | je parlerai(私は話すだろう) |
tu | -as | tu parleras |
il / elle / on | -a | il parlera |
nous | -ons | nous parlerons |
vous | -ez | vous parlerez |
ils / elles | -ont | ils parleront |
語尾はすべての動詞の種類(-er, -ir, -re)に共通して使えますが、動詞の種類によって活用に少しだけ違いがあります。
2. 動詞グループごとの活用ルール
2-1. -er動詞(例:parler=話す)
-er 動詞は、不定詞にそのまま語尾をつけます。
- je parlerai
- tu parleras
- il parlera
- nous parlerons
- vous parlerez
- ils parleront
2-2. -ir動詞(例:finir=終える)
-ir動詞の場合も、不定詞に語尾をつけます。
- je finirai
- tu finiras
- il finira
- nous finirons
- vous finirez
- ils finiront
2-3. -dre, -tre で終わる動詞(例:vendre=売る)
-dre や -tre で終わる動詞は、語幹の最後の「e」を落としてから単純未来の語尾をつけるのが特徴です。
これは -re 動詞に共通のルールでもあり、語感が重くならないようにするための音声的な理由もあります。
- je vendrai
- tu vendras
- il vendra
- nous vendrons
- vous vendrez
- ils vendront
2-4. 不規則な語幹をとる動詞
単純未来では、一部の動詞が特殊な語幹に変化します。
これらは不規則動詞と呼ばれ、日常的によく使われるため、優先的に覚える必要があります。
動詞 | 意味 | 未来語幹 | 例文(je形) |
---|---|---|---|
être | ~である | ser- | je serai(私は〜だろう) |
avoir | 持つ | aur- | j’aurai(私は持つだろう) |
aller | 行く | ir- | j’irai(私は行くだろう) |
faire | する | fer- | je ferai(私はするだろう) |
voir | 見る | verr- | je verrai(私は見るだろう) |
不規則動詞の語幹は、動詞の現在形とはまったく異なることが多いため、丸ごと覚えるのが効率的です。
3. 単純未来のポイント解説
3-1. 予定・計画に使う単純未来
単純未来は、話し手がすでに予定している未来の行動・出来事を述べるときに使います。
この場合は「〜するつもり」「〜の予定がある」というニュアンスになります。
- Je passerai mes vacances à Nice.
(私はバカンスをニースで過ごす予定だ) - Nous déménagerons en septembre.
(私たちは9月に引っ越します)
3-2. 意志・決意を表す
単純未来には「私は〜するぞ!」という強い意志を込めることもできます。
命令形ほど強くなく、柔らかい決意や申し出に使えます。
- Je t’aiderai.(君を助けるよ)
- Je ferai tout mon possible.(全力を尽くします)
この用法は、励ましや協力の意志を示す表現によく使われます。
3-3. 予測・推測・推量の表現
未来形は「~だろう」という推測・予測にも使えます。
主に、天気や状況、行動の見通しなどに登場します。
- Il ne viendra pas ce soir.(彼は今夜来ないだろう)
- Il fera beau demain.(明日は天気が良くなるだろう)
- Tu réussiras à ton examen.(君は試験に合格するだろう)
3-4. 条件文との組み合わせ(si節)
単純未来の文は、条件を表す文(si節)と組み合わせること多いです。
【構造】si + 現在形(条件節)→ 単純未来(主節)
- Si tu veux, nous partirons ensemble.
(君が望むなら、一緒に出発しよう) - S’il fait beau, on ira à la plage.
(晴れたら、海に行こう)
日本語ではどちらも未来っぽく訳されますが、フランス語では「条件節は現在形」「主節は未来形」となります。
4. まとめ
- 単純未来は、「〜するだろう」「〜するつもりだ」といった意味を表す未来の時制。
- 規則動詞は「不定詞 + 語尾(-ai, -as, -a, -ons, -ez, -ont)」で活用。
- 意志・予定・予測・助言など幅広い用途に使える。
- 不規則動詞は語幹が変わるため、よく使うものから順に覚えるのがコツ。