【フランス語文法#39】不定詞構文

Izumi
フランス語では、「〜が好き」「〜したい」などの感情や意思を表すときに、ある動詞の後に活用しない動詞(不定詞)を続ける形をとることがあります。
これを「不定詞構文」と呼びます。この構文は、日常会話でも文章でも頻繁に使われ、フランス語の基本文型のひとつです。
このレッスンでは、不定詞構文の作り方と意味、使い方のコツを具体的に学びます。
1. 不定詞構文の基礎
不定詞構文とは、感情・好み・意志などを表す動詞のあとに不定詞(=動詞の原形)を続ける文型です。
不定詞は「〜すること」や「〜するのが好き/したい」といった、行動や状態を名詞のように扱う働きがあります。これは英語の “like to do” や “want to do” に相当します。
- J’aime lire.(私は読むのが好きだ)
→ aimer(好き)+ lire(読む/不定詞)
このように、「読む」という動作を不定詞で表現し、それを「好き」という感情に結びつけています。
2. 不定詞を取る代表的な動詞
以下のような動詞は前置詞を挟まずに直接、不定詞(動詞の原形)を続けることができます:
- aimer(好き)
- adorer(大好き)
- préférer(より好む)
- détester(嫌い)
- vouloir(〜したい)
- souhaiter(〜を望む)
- espérer(〜を願う)
- savoir(〜できる/知っている)
3. 不定詞の役割:名詞的に「〜すること」を表す
不定詞は見た目は動詞ですが、文の中では名詞のような働きをします。
- J’aime lire.(本を読むのが好きです)
→ この文の主語は「私(je)」で、好きなのは「読むという行為」。
→ lire は「読む」という動作を名詞的に表している。
英語の “I like to read.” や “I like reading.” に近い構造です。
4. 主語と動作主は共通
不定詞構文では、文の主語が前後の動作の主体でもあることが基本です。
- Il veut dormir.(彼は寝たい)
→ 主語の「il(彼)」は動詞の「veut dormir(寝たい)」と同じ動作主。
別の主語が必要なときは、別の構文(接続詞 que を使う文など)になります。
5. 否定形にするときの注意点
否定にしたいときは、不定詞はそのままで、主文の動詞(aimer, vouloirなど)を ne … pas で囲むだけでOKです。
- Je n’aime pas danser.(私はダンスが好きではない)
- Il ne veut pas sortir ce soir.(彼は今夜出かけたくない)
不定詞は否定に巻き込まれません。「するかどうか」はあくまで主文の動詞(aimer, vouloirなど)の範疇だからです。
6. まとめ
- フランス語の不定詞構文は、「〜するのが好き」「〜したい」などを表すときに使う基本的な文型。
- 感情・意志・能力などを表す動詞(aimer, vouloir, savoir など)のあとに、不定詞(原形の動詞)を直接つなげる。
- 不定詞構文では、主語と動詞の行為者は共通。否定形でも構造は変わらない。
- 前置詞 à や de を取る動詞との違いに注意し、まずは直接不定詞をとる動詞に慣れておくことが大切。