初中級文法

【初中級文法⑮】関係代名詞「qui」「que」の役割

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Izumi

フランス語の関係代名詞「qui」「que」は、2つの文をつなぎ、名詞を詳しく説明するために欠かせない重要な文法要素です。

qui と que は関係代名詞の基本でありながら混同もしやすく、使う際は注意が必要です。

このレッスンでは、「qui」「que」の役割、使い方、そして語順のポイントをしっかり理解し、自然な文章を作る力を身につけます。

関係代名詞「qui」「que」とは?

関係代名詞とは、2つの文を一つにまとめ、名詞(=先行詞)について詳しい情報を付け加える働きを持つ語です。

特に「qui」と「que」は、文章の中で最もよく使われる基本の関係代名詞です。

「qui」の特徴

qui は、先行詞(説明される名詞)が文中で主語の役割を果たすときに使います

qui の後ろには必ず動詞が続きます。

  • ① J’ai un ami.(私は友達がいる)
  • ② Il habite à Paris.(彼はパリに住んでいる)
  • 【①+②】J’ai un ami qui habite à Paris.(私はパリに住んでいる友達がいる)

「que」の特徴

que は、先行詞が文中で目的語になるときに使います。後ろには必ず主語+動詞が続きます。

que の後ろには主語+動詞が続きます。

  • ① J’ai un ami.(私は友達がいる)
  • ② Tu connais cet ami.(君はその友達を知っている)
  • 【①+②】J’ai un ami que tu connais.(君が知っている友達がいる)

例文と解説

Voici une femme qui parle français.(こちらはフランス語を話す女性です)

une femme(女性)が関係節(qui〜以降の文)の中で主語となります。qui の後に、動詞 parle + français が来ることで、「女性はフランス語を話す」という情報を追加しています。

C’est un film que j’aime.(これは私が好きな映画です)

que の後ろに j’aime という主語+動詞が来ています。un film(映画)は「j’aime (私が好き)」の目的語であるため que を使います。

Je connais un homme qui habite à Paris.(私はパリに住んでいる男性を知っています)

un homme(男性)が関係節内で主語となります。qui の後ろに動詞 habite が来ており、qui によって「男性=パリに住んでいる人」という構造が作られます。

Voici le livre que tu as acheté.(これが君が買った本です)

que の後に tu as acheté(君が買った)が続きます。le livre(本)は関係節の目的語(買った対象)なので、ここでは que を使用します。

C’est la chanson que nous écoutons souvent.(これは私たちがよく聴く歌です)

que の後に nous écoutons という主語+動詞が来ています。la chanson(歌)は「私たちが聴く対象」=目的語なので、que を使います。

文法のポイント解説

「qui」の使い方の詳細

qui は、説明節(関係節)の中で先行詞が主語の役割を果たすときに用います。

後ろには必ず動詞が続き、先行詞(説明する名詞)が「〜する」「〜である」という行為や状態を表す主語であることが特徴です。

  • Je connais un homme qui parle espagnol.(私はスペイン語を話す男性を知っている)
    → qui は un homme を説明し、その男性が「話す」という動作の主語になっています。

ここでは qui の後ろに動詞 parle がすぐ続く点がポイントです。

qui が直接「男性」と「話す」という行為をつなぐ役割を果たしています。

同じ文を2つに分けると:

  • J’ai un homme.(私は男性を知っている)
  • Il parle espagnol.(彼はスペイン語を話す)

この「彼=男性」が「話す」という行為をしているため、主語の役割として qui を使います。

「que」の使い方の詳細

que は、関係節の中で先行詞が目的語の役割を果たすときに使います。

後ろには主語+動詞が続き、先行詞は説明節の中で「〜を」の部分にあたります。

  • Je lis un livre que mon ami a recommandé.(これは友達が勧めてくれた本だ)
    → que は un livre を説明し、その本が「友達が勧めたもの」という情報を追加しています。

この場合、「本」は関係節の中で「友達が何を勧めたか」という「目的語」の位置にあるためque を使います。

2つの文に分けると:

  • Je lis un livre.(私は本を読む)
  • Mon ami a recommandé ce livre.(友達がこの本を勧めた)

この ce livre(その本)が「友達が勧めたもの」という目的語にあたるので、que で繋げます。

「qui」「que」の違いを見分けるコツ

フランス語で文章を組み立てるときは、関係節の中で先行詞がどんな役割をしているのかを必ず考えます。

先行詞の役割使う関係代名詞節の構造例
主語quiqui + 動詞
目的語queque + 主語 + 動詞
  • J’ai un frère qui travaille en Suisse.(私にはスイスで働いている兄がいます)
    → qui の後ろに travaille という動詞がすぐ来る → 関係節の中では「frère」が主語。
  • J’ai un frère que tu connais.(私にはあなたが知っている兄がいます)
    →que の後ろに tu という主語が来て、その後に connais という動詞 → 関係節の中では「frère」が目的語。

まとめ

  • 「qui」は、関係節の主語として機能し、後ろに動詞が来る。
  • 「que」は、関係節の目的語として機能し、後ろに主語+動詞が来る。
  • 関係代名詞「qui」「que」を使い分けるには、節内での役割でしっかり区別する必要がある。
  • 文を作るときは、「関係代名詞の後に何が続くか」を見ると判別がしやすい。
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