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【フランス語文法#35】比較級・最上級の表現

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Izumi

フランス語では、2つのものを比較したり、あるものが他よりも際立って優れていることを表したいときに、比較級・最上級を使います。

英語の比較表現と似ている部分もありますが、冠詞や形容詞の性・数に伴う変化など、フランス語ならではのルールがあります。

このレッスンでは、比較級と最上級の作り方、使い分けのポイント、そしてよくある間違いについて詳しく学んでいきます。

1. 比較級・最上級とは?

1-1. 比較級の基本

比較級は、「〜より〜だ」「〜と同じくらい〜だ」「〜より〜でない」といった、2つの物や人の性質を比べるときに使う表現です。

フランス語の比較級の形は以下の3種類があります。

  1. 優位比較:plus + 形容詞 + que(〜より〜だ)
  2. 劣位比較:moins + 形容詞 + que(〜より〜でない)
  3. 同等比較:aussi + 形容詞 + que(〜と同じくらい〜だ)

フランス語の比較級は、形容詞や副詞の前に「plus(より〜ある)/moins(より〜ない)/aussi(同じくらい〜)」を置き、「que 〜」で比べる対象を示します。

1-2. 最上級の基本

最上級は、「〜の中で一番〜だ」という、比較する複数の物の中で最も高い/低い要素であることを表す表現です。

  • 最上級:定冠詞(le, la, les)+ plus / moins + 形容詞

最上級を作るときは必ず定冠詞 le / la / les を使います。

また、形容詞も修飾する名詞の性(男性・女性)や数(単数・複数)に合わせて形を変えます。

2. 比較対象を示す que は省略不可

que の後ろには、比較対象を必ず置きます。

省略すると比較対象が曖昧になり、意味が通らなくなってしまいます。

  • Il est plus grand. (彼はより大きい)
    → 「que 〜」がないと比較対象が不明で、「誰と比べて?」となる。
  • Il est plus grand que moi. (彼は私より大きい)
    → 「que moi」があることで比較対象が明確に。

3. 最上級では定冠詞が必須

最上級を作る際には、必ず定冠詞 le / la / les を使います。

定冠詞の性・数は、形容詞が修飾する名詞の性・数に一致します。

  • le plus rapide train(最も速い列車:名詞 train は男性単数)
  • la plus belle maison(最も美しい家:名詞 maison は女性単数)
  • les plus grandes villes(最も大きい都市:名詞 villes は女性複数)

4. 名詞の性・数に合わせた形容詞の一致

フランス語では、比較級・最上級に関わらず形容詞は修飾する名詞の性・数に合わせる必要があります。

  • Il est le plus grand.(男性単数 → grand)
  • Elle est la plus grande.(女性単数 → grande)
  • Ils sont les plus grands.(男性複数 → grands)
  • Elles sont les plus grandes.(女性複数 → grandes)

5. 不規則比較形に注意

比較級の形が不規則になる形容詞・副詞もあります。最もよく使われる例は次の通りです。

5-1. bon → meilleur(良い → より良い)

  • Ce gâteau est meilleur que l’autre. 
    (このケーキは他のものよりおいしい)

5-2. bien → mieux(良く → より良く)

  • Elle chante mieux que moi. 
    (彼女は私より上手に歌う)

「bon」「bien」などの不規則比較形は、日常会話でよく使う単語も多いので注意しましょう。

6. まとめ

  • 比較級の形は「plus / moins / aussi + 形容詞 + que + 比較対象」。
  • 最上級の形は「定冠詞 + plus / moins + 形容詞」で、名詞の性・数に合わせる。
  • 比較対象を示す「que」は省略できない。
  • 不規則比較形(meilleur, mieux など)も頻出するので、重要なものは暗記しておく。
  • 形容詞の性・数一致にも注意。

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泉(Izumi)
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