フランス語では、2つのものを比較したり、あるものが他よりも際立って優れていることを表したいときに、比較級・最上級を使います。
英語の比較表現と似ている部分もありますが、冠詞や形容詞の性・数に伴う変化など、フランス語ならではのルールがあります。
このレッスンでは、比較級と最上級の作り方、使い分けのポイント、そしてよくある間違いについて詳しく学んでいきます。
1. 比較級・最上級とは?
1-1. 比較級の基本
比較級は、「〜より〜だ」「〜と同じくらい〜だ」「〜より〜でない」といった、2つの物や人の性質を比べるときに使う表現です。
フランス語の比較級の形は以下の3種類があります。
- 優位比較:plus + 形容詞 + que(〜より〜だ)
- 劣位比較:moins + 形容詞 + que(〜より〜でない)
- 同等比較:aussi + 形容詞 + que(〜と同じくらい〜だ)
フランス語の比較級は、形容詞や副詞の前に「plus(より〜ある)/moins(より〜ない)/aussi(同じくらい〜)」を置き、「que 〜」で比べる対象を示します。
1-2. 最上級の基本
最上級は、「〜の中で一番〜だ」という、比較する複数の物の中で最も高い/低い要素であることを表す表現です。
- 最上級:定冠詞(le, la, les)+ plus / moins + 形容詞
最上級を作るときは必ず定冠詞 le / la / les を使います。
また、形容詞も修飾する名詞の性(男性・女性)や数(単数・複数)に合わせて形を変えます。
2. 比較対象を示す que は省略不可
que の後ろには、比較対象を必ず置きます。
省略すると比較対象が曖昧になり、意味が通らなくなってしまいます。
- Il est plus grand. (彼はより大きい)
→ 「que 〜」がないと比較対象が不明で、「誰と比べて?」となる。 - Il est plus grand que moi. (彼は私より大きい)
→ 「que moi」があることで比較対象が明確に。
3. 最上級では定冠詞が必須
最上級を作る際には、必ず定冠詞 le / la / les を使います。
定冠詞の性・数は、形容詞が修飾する名詞の性・数に一致します。
- le plus rapide train(最も速い列車:名詞 train は男性単数)
- la plus belle maison(最も美しい家:名詞 maison は女性単数)
- les plus grandes villes(最も大きい都市:名詞 villes は女性複数)
4. 名詞の性・数に合わせた形容詞の一致
フランス語では、比較級・最上級に関わらず形容詞は修飾する名詞の性・数に合わせる必要があります。
- Il est le plus grand.(男性単数 → grand)
- Elle est la plus grande.(女性単数 → grande)
- Ils sont les plus grands.(男性複数 → grands)
- Elles sont les plus grandes.(女性複数 → grandes)
5. 不規則比較形に注意
比較級の形が不規則になる形容詞・副詞もあります。最もよく使われる例は次の通りです。
5-1. bon → meilleur(良い → より良い)
- Ce gâteau est meilleur que l’autre.
(このケーキは他のものよりおいしい)
5-2. bien → mieux(良く → より良く)
- Elle chante mieux que moi.
(彼女は私より上手に歌う)
「bon」「bien」などの不規則比較形は、日常会話でよく使う単語も多いので注意しましょう。
6. まとめ
- 比較級の形は「plus / moins / aussi + 形容詞 + que + 比較対象」。
- 最上級の形は「定冠詞 + plus / moins + 形容詞」で、名詞の性・数に合わせる。
- 比較対象を示す「que」は省略できない。
- 不規則比較形(meilleur, mieux など)も頻出するので、重要なものは暗記しておく。
- 形容詞の性・数一致にも注意。
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