【初級文法⑯】venir の現在形と近接過去

フランス語の動詞 venir は「来る」という意味で、非常によく使われる基本動詞のひとつです。
この動詞は単に移動を表すだけでなく、venir de + 不定詞という形で「たった今〜した」という近接過去の表現にも使われます。
このレッスンでは、venir の現在形の活用と、venir を使った近接過去の表現方法について詳しく学びます。
venir の現在形と近接過去とは?
venir の基本的な意味と特徴
venir は英語の 「come」 に相当する動詞で、「来る」という意味を持っています。
フランス語では、移動に関する基本動詞(aller「行く」、venir「来る」)は頻出語彙であり、特に会話の中で日常的に使われます。
venir は不規則動詞に分類されるため、活用が規則的なパターンから外れます。まずは現在形の活用を確認しておきましょう。
主語 | venir の活用 | 意味 |
---|---|---|
je | viens | 私は来る |
tu | viens | 君は来る |
il / elle / on | vient | 彼/彼女/私たちは来る |
nous | venons | 私たちは来る |
vous | venez | あなた(たち)は来る |
ils / elles | viennent | 彼ら/彼女たちは来る |
近接過去とは?
近接過去は、ついさっき起きた出来事を表す時に使う便利な表現です。
日本語では「〜したところだ」「ちょうど〜したばかりだ」と訳されることが多いです。
この表現は以下のように作ります。
venir(現在形)+ de + 不定詞
- Je viens de manger.(私は今食べたところだ)
これは、英語の “I have just eaten.” にかなり近いニュアンスを持っています。
ただし、フランス語では過去形ではなく、現在形の活用を使う点に注意が必要です。
文法のポイント解説
例文と表解説
フランス語の文 | 日本語訳 | 解説 |
---|---|---|
Je viens de rentrer. | 私は帰ったところだ。 | venir(viens)+ de + rentrer(帰る) |
Elle vient de partir. | 彼女は出発したところだ。 | venir(vient)+ de + partir(出発する) |
Nous venons de finir le travail. | 私たちは仕事を終えたところだ。 | venir(venons)+ de + finir(終える) |
Vous venez d’arriver ? | あなたは到着したばかりですか? | venir(venez)+ de + arriver(到着する) |
Ils viennent d’acheter une voiture. | 彼らは車を買ったところだ。 | venir(viennent)+ de + acheter(買う) |
venir の現在形の特徴
venir は不規則動詞の中でも特に変化が大きいグループに入ります。現在形では、語幹 vien- と ven- が交互に現れます。
- je viens / tu viens / il vient(vien-)
- nous venons / vous venez(ven-)
- ils viennent(vienn-)
この交互パターンに慣れるためには、活用表を何度も音読しながら口になじませるのが効果的です。
また、venir から派生する単語(revenir「戻ってくる」、devenir「〜になる」など)も同じ活用パターンを取るため、基礎として押さえておくと後々役立ちます。
近接過去のニュアンス
近接過去は、普通の過去形とはニュアンスが異なります。
過去形が単なる過去の事実を述べるのに対して、近接過去は、今まさに起きたばかりの出来事を強調するのが特徴です。
英語では:
- I ate lunch.(昼食を食べた)→ 単なる過去
- I have just eaten lunch.(昼食を食べたばかりだ)→ 近接過去に近い
フランス語では:
- J’ai mangé.(私は食べた)
- Je viens de manger.(私は今食べたところだ)
まとめ
- venir は「来る」という意味の不規則動詞で、現在形の活用は 「viens, viens, vient, venons, venez, viennent」
- 「venir(現在形)+ de + 不定詞」で、「たった今〜した」という近接過去を表現できる。
- 近接過去は、過去形とは異なり、ごく最近完了したばかりの出来事を伝えたいときに使う。
- venir の活用を正しく覚え、近接過去の基本パターンに慣れておくと、より自然で正確なフランス語表現ができる。