【フランス語文法#8】avoir の活用と用法

フランス語の基本動詞 avoir(持っている) は、英語の have に相当する非常に重要な動詞です。
所有を表すだけでなく、さまざまな表現にも使われます。
このレッスンでは、avoir の現在形の活用と、代表的な使い方をマスターすることを目指します。
1. avoir の基本
avoir は、「持っている」という意味を持つ動詞で、フランス語における基本中の基本です。
単純な所有だけでなく、年齢、体調、状態などを表すときにも使われ、使用頻度が非常に高い動詞です。
avoir は不規則動詞なので、主語に合わせて特別な活用を覚える必要があります。
avoir の現在形活用
主語 | 活用 | 発音のポイント |
---|---|---|
je | ai | [ɛ](エ) |
tu | as | [a](ア) |
il / elle / on | a | [a](ア) |
nous | avons | [avɔ̃](アヴォン) |
vous | avez | [ave](アヴェ) |
ils / elles | ont | [ɔ̃](オン) |
2. 所有を表す avoir
avoir の最も基本的な使い方は、「物や人を所有している」ことの表現です。英語の have に相当しますが、英語に比べて使用頻度が高いことが特徴です。
ポイントは、avoir の後に、「何を持っているか」を示す直接目的語を置くことです。
フランス語では、英語のような「持っているものが複数か単数か」による語順の変化や助詞の追加はなく、シンプルに「動詞+目的語」の順で文を組み立てます。
- J’ai une voiture.(私は車を持っている)
- Ils ont des amis.(彼らには友達がいる)
また、英語では場合によって I have a cat. と I own a cat. のように表現を使い分けますが、フランス語では基本的に avoir だけで広範囲の所有関係をカバーします。
物理的な所有(本、車、家など)はもちろん、人間関係(家族、友人、子ども)にも avoir を使えます。
3. 年齢を表す avoir
年齢を表すときも avoir を使います。
フランス語では「年齢を持つ」と表すのが特徴で、英語(I am 20 years old)や日本語(私は20歳です)と大きく異なります。
【年齢表現】avoir + 数字 + ans
- J’ai 20 ans.(私は20歳です)
- Mon frère a 18 ans.(私の弟は18歳です)
また、数字の後には必ず ans(年)が続きます。ansは常に複数形で使う点に注意しましょう。
4. 体調・感覚を表す avoir
avoir は、身体的な感覚や状態を表す表現にも使われます。
これは英語(I am hungry)や日本語(お腹がすいた)と違い、フランス語では「空腹」や「眠気」を「持っている」と考えます。
よく使う表現
- avoir faim(空腹である)
- avoir soif(のどが渇いている)
- avoir chaud(暑い)
- avoir froid(寒い)
- avoir sommeil(眠い)
- avoir peur(怖い)
5. まとめ
- avoir は「〜を持っている」という所有を表す基本動詞。
- 年齢を言うときには être ではなく、「avoir + 数字 + ans」の形を使う。
- 体調や感覚表現(空腹、寒さ、眠気など)にも avoir が用いられる。
- 活用は不規則だが、非常に頻繁に使うので、主語とセットで覚えるのが効果的。