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【フランス語文法#67】接続法を使う接続詞

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Izumi

フランス語には、接続法という特別な動詞の活用があります。これは事実の叙述ではなく、話し手の感情・判断・不確実性・目的などを表すときに使われます。

接続法は単に動詞の意味だけで決まるのではなく、特定の接続詞によっても使用が求められます。

今回は、フランス語で接続法を要求する代表的な接続詞とその使い方、注意点を解説します。

1. 接続法と接続詞の関係

フランス語の接続法は、「確実な事実」を述べるのではなく、話し手の感情・評価・意図・条件・不確実性を表すときに使われます。

接続詞は主節と従属節をつなぎ、意味関係を作る働きがあります。

そして接続詞の後に続く従属節が、「事実」ではなく「条件・目的・不確実な出来事」を表す場合、従属節の動詞は接続法現在/過去の形となります。

  • Je pars avant qu’il n’arrive.
    (彼が来る前に出発する)
    → 「彼が来る」という出来事はまだ起こっていない=不確定 → 接続法

2. 接続法を要求する代表的な接続詞

以下は接続法がほぼ必須となる接続詞です。

2-1. 目的を表す接続詞

目的を示す接続詞は、「〜するために」「〜しないように」という意図を持つため、まだ実現していない行為を表し、接続法が使われます。

  • pour que(〜するために)
  • afin que(〜するために/〜できるように)
  • de peur que(〜しないように)

例文

  • Je parle lentement pour que tu comprennes.
    (君が理解できるように、私はゆっくり話す)
  • Elle se dépêche afin qu’elle soit à l’heure.
    (彼女が時間通りになるよう急いでいる)

2-2. 条件・仮定を表す接続詞

条件を示す接続詞は、特定の条件下でのみ成立する行為を表すため、接続法が使われます。

  • à condition que(〜という条件で)
  • pourvu que(〜さえすれば)
  • à moins que(〜しない限り)

例文

  • Nous partirons à condition qu’il fasse beau.
    (天気が良ければ出発する)
  • Tu peux venir pourvu que tu sois à l’heure.
    (時間通りなら来ていいよ)

2-3. 譲歩・制限を表す接続詞

譲歩を表す接続詞は、「〜にもかかわらず」というニュアンスを持つため、事実ではあるが話し手の評価や条件が加わる形になります。

  • bien que(〜にもかかわらず)
  • quoique(〜にもかかわらず)
  • encore que(〜とはいえ、もっとも〜だが)

例文

  • Bien qu’il soit fatigué, il continue à travailler.
    (疲れているにもかかわらず、彼は働き続ける)

2-4. 時間・期限を表す接続詞

未来や未確定の出来事を表すときに、時間関連の接続詞が接続法を要求します。

  • avant que(〜する前に)
  • jusqu’à ce que(〜するまで)

例文

  • Ferme la fenêtre avant qu’il n’entre.
    (彼が入ってくる前に窓を閉めなさい)
  • Attends ici jusqu’à ce que je revienne.
    (私が戻るまでここで待っていて)

3. 接続詞の後が接続法になる理由

接続法は「不確定・主観的評価・未実現の行為」を表します。

接続詞の意味によっては、その従属節はまだ確定していない、あるいは話し手の意図を反映するため、直説法ではなく接続法が必要になります。

  • 事実(直説法)
    例:Je sais qu’il est là.(彼がそこにいることを知っている)
  • 不確定/意図(接続法)
    例:J’attends qu’il vienne.(彼が来るのを待っている)

4. 主語が同じ場合は不定詞を使う

接続法を要求する接続詞であっても、主節と従属節の主語が同じ場合は、接続法を使わずに不定詞で表すことができます。

  • 主語が異なる場合:接続法
    例:Je ferme la porte pour que les enfants ne sortent pas.
    (子どもたちが外に出ないように、ドアを閉めます)
  • 主語が同じ場合:不定詞
    例:Je ferme la porte pour ne pas sortir.
    (私は外に出ないようにドアを閉めます)

このルールを理解しておくと、無駄な接続法活用を避け、より簡潔な表現が可能になります。

5. まとめ

  • 接続法を要求する接続詞は、従属節の動詞を接続法の形にします。
  • 多くは目的・条件・譲歩・時間などの意味を持ち、不確定な未来や話し手の意図・感情を表します。
  • 主節と従属節で主語が同じ場合は、接続法ではなく不定詞が使います。
  • 接続法は形だけでなく、使う意味の背景(確定か不確定か)を理解しておくことが重要です。

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