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【フランス語文法#65】条件法過去

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Izumi

条件法過去は、「もし〜だったら…しただろう」という過去の仮定や、「〜したはずだ」という推量を表す時制です。

会話でも文章でも頻繁に使われるため、仮定法の応用として早い段階で理解しておくと便利です。

今回は、フランス語の条件法過去の形の作り方、主な使い方、そして注意点を詳しく解説します。

1. 条件法過去の構造

条件法過去は、過去の仮定(もし〜だったら…しただろう)や過去についての推量(〜したはずだ/〜したらしい)を表す時制です。

英語の “would have + 過去分詞”に近く、特に Si節(もし〜)を使った仮定文や、報道・伝聞の表現で用いられます。

条件法過去は、「助動詞 avoir / être の条件法現在形 + 過去分詞」という構造を取ります。

  • j’aurais mangé(私は食べただろう)
  • je serais allé(e)(私は行っただろう)

助動詞の選び方は複合過去と同じで、移動を表す一部の動詞や再帰動詞は être を使います。

2. 過去の非現実条件

条件法過去は「もし〜だったら…しただろう」という実際には起こらなかった過去を表します。

過去の非現実条件を表す際の構文は、以下の通ります。

Si + 大過去, 条件法過去(もし〜だったら…しただろう)

  • Si j’avais eu plus de temps, j’aurais voyagé au Japon.
    (もっと時間があったら、日本に旅行しただろう)
    → 実際には時間がなかったので旅行していない。
  • Si elle avait étudié, elle aurait réussi l’examen.
    (もし彼女が勉強していたら、試験に合格していただろう)
    → 実際には勉強せず、合格しなかった。

3. 条件節省略の仮定文

会話では、Si 節が省略され、主節だけで条件法過去を使うことがあります。

  • J’aurais aimé te voir.(君に会いたかったよ)
    → 実際には会えなかった。
  • On aurait dû partir plus tôt.
    (もっと早く出発すべきだったのに)
    → 実際には早く出発しなかった。

この場合も文脈から「もし〜だったら」という意味が推定できます。

4. 過去の推量・伝聞

条件法過去は、報道や未確認情報を表すときにも使われます。「〜したらしい」「〜だったとのこと」という意味になります。

  • Selon les témoins, il aurait quitté la ville hier soir.
    (証人によれば、彼は昨夜町を出たらしい)
  • Il y aurait eu un accident sur l’autoroute.
    (高速道路で事故があったらしい)

ここでの条件法過去は、「情報は確定していないが…」という含みを持たせる役割があります。

5. 後悔・批判・助言

条件法過去は、過去に行わなかった行為について後悔や批判、助言を表すこともできます。

  • Tu aurais pu me prévenir.
    (君は私に知らせることができただろうのに)
    → 批判のニュアンス
  • Vous auriez dû étudier davantage.
    (もっと勉強すべきだったのに)
    → 助言や後悔のニュアンス

6. まとめ

  • 条件法過去は、過去の非現実条件過去の推量を表す時制。
  • 条件法過去の構造は、「助動詞(条件法現在形)+ 過去分詞」。
  • 過去の仮定文では「Si + 大過去, 条件法過去」の形が基本。
  • 助動詞の一致や省略形にも注意。
  • 批判・後悔・助言のニュアンスでもよく使われる。

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泉(Izumi)
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