条件法過去は、「もし〜だったら…しただろう」という過去の仮定や、「〜したはずだ」という推量を表す時制です。
会話でも文章でも頻繁に使われるため、仮定法の応用として早い段階で理解しておくと便利です。
今回は、フランス語の条件法過去の形の作り方、主な使い方、そして注意点を詳しく解説します。
1. 条件法過去の構造
条件法過去は、過去の仮定(もし〜だったら…しただろう)や過去についての推量(〜したはずだ/〜したらしい)を表す時制です。
英語の “would have + 過去分詞”に近く、特に Si節(もし〜)を使った仮定文や、報道・伝聞の表現で用いられます。
条件法過去は、「助動詞 avoir / être の条件法現在形 + 過去分詞」という構造を取ります。
- j’aurais mangé(私は食べただろう)
- je serais allé(e)(私は行っただろう)
助動詞の選び方は複合過去と同じで、移動を表す一部の動詞や再帰動詞は être を使います。
2. 過去の非現実条件
条件法過去は「もし〜だったら…しただろう」という実際には起こらなかった過去を表します。
過去の非現実条件を表す際の構文は、以下の通ります。
Si + 大過去, 条件法過去(もし〜だったら…しただろう)
- Si j’avais eu plus de temps, j’aurais voyagé au Japon.
(もっと時間があったら、日本に旅行しただろう)
→ 実際には時間がなかったので旅行していない。 - Si elle avait étudié, elle aurait réussi l’examen.
(もし彼女が勉強していたら、試験に合格していただろう)
→ 実際には勉強せず、合格しなかった。
3. 条件節省略の仮定文
会話では、Si 節が省略され、主節だけで条件法過去を使うことがあります。
- J’aurais aimé te voir.(君に会いたかったよ)
→ 実際には会えなかった。 - On aurait dû partir plus tôt.
(もっと早く出発すべきだったのに)
→ 実際には早く出発しなかった。
この場合も文脈から「もし〜だったら」という意味が推定できます。
4. 過去の推量・伝聞
条件法過去は、報道や未確認情報を表すときにも使われます。「〜したらしい」「〜だったとのこと」という意味になります。
- Selon les témoins, il aurait quitté la ville hier soir.
(証人によれば、彼は昨夜町を出たらしい) - Il y aurait eu un accident sur l’autoroute.
(高速道路で事故があったらしい)
ここでの条件法過去は、「情報は確定していないが…」という含みを持たせる役割があります。
5. 後悔・批判・助言
条件法過去は、過去に行わなかった行為について後悔や批判、助言を表すこともできます。
- Tu aurais pu me prévenir.
(君は私に知らせることができただろうのに)
→ 批判のニュアンス - Vous auriez dû étudier davantage.
(もっと勉強すべきだったのに)
→ 助言や後悔のニュアンス
6. まとめ
- 条件法過去は、過去の非現実条件や過去の推量を表す時制。
- 条件法過去の構造は、「助動詞(条件法現在形)+ 過去分詞」。
- 過去の仮定文では「Si + 大過去, 条件法過去」の形が基本。
- 助動詞の一致や省略形にも注意。
- 批判・後悔・助言のニュアンスでもよく使われる。
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