現在分詞は、フランス語で「〜しながら」「〜している」といった意味を持ち、2つの動作が同時に行われる状況や、原因・条件などを簡潔に表すための文法表現です。
英語の「〜ing」に似ていますが、使い方には明確なルールがあり、フランス語独自の特徴があります。
このレッスンでは、現在分詞の作り方と意味、基本表現、注意点について、具体的に解説していきます。
1. 現在分詞の基本
フランス語の現在分詞は、動詞の1人称複数形の語幹に「-ant」をつけて作ります。
現在分詞は、主に以下の3つの役割があります。
- 「〜しながら」など、同時に行われる動作を示す
- 原因・理由・条件などの副詞的な表現として使う
- 名詞を修飾して、「〜している」という補足説明を加える
日本語では「〜しながら」「〜している」「〜することで」などと訳されます。
2. 現在分詞の作り方
2-1. 規則形の場合
基本的な作り方は以下の通りです:
- 動詞の1人称複数(nous)の現在形を使い、その語尾 -ons を取り除く
- 残った語幹に -ant をつける
例文で確認してみましょう。
- parler(話す):nous parlons → parl- + ant
→ parlant(話しながら) - finir(終える):nous finissons → finiss- + ant
→ finissant(終えながら)
2-2. 不規則な現在分詞(重要)
例外的な形を取る動詞が3つあります。これは頻出なので丸ごと覚える必要があります。
原形 | 現在分詞 | 意味 |
---|
être | étant | 〜でありながら、〜であることによって |
avoir | ayant | 持ちながら、持っていることで |
savoir | sachant | 知っていて、知っている状態で |
3. 現在分詞の用法解説
3-1. en + 現在分詞:「〜しながら」「〜することで」
フランス語で「〜しながら」「〜することで」を表したいとき、もっともよく使われるのが「en + 現在分詞」という構文です。
この「en + 現在分詞」という用法は、ジェロンディフと呼ばれます。
この構文は主語が同じ動作を2つ同時に行っている場合に使います。動詞が2つありますが、どちらも同じ主語である点が重要です。
- Il marche en parlant.(彼は話しながら歩いている)
→ parler の現在分詞 parlant に en をつけることで、「話しながら」という意味になります。
この構文は非常に会話的で、日常表現にもよく登場します。英語で言えば “while doing” に近いニュアンスです。
3-2. 副詞的用法:「〜するので」「〜すれば」「〜した結果」
現在分詞は、「原因」「条件」「結果」といった意味を含む副詞句としても使われます。
- Étant fatigué, il s’est couché tôt.(疲れていたので、彼は早く寝た)
→ être の現在分詞 étant を使い、「〜だったので」の意味を持たせている。
このような使い方はやや書き言葉的ではありますが、論理的な関係をコンパクトに伝える上で便利です。
3-3. 形容詞的用法:名詞を修飾する
現在分詞は、名詞を修飾する形容詞として使うこともできます。「〜している〜」「〜する〜」というニュアンスです。
- un enfant sachant lire(読むことができる子ども)
→ savoir の現在分詞 sachant で名詞 enfant を修飾。 - des personnes parlant plusieurs langues(複数の言語を話す人々)
→ parler の現在分詞 parlant を使い、人に関する説明を加える。
この形は、関係代名詞「qui」「que」で言い換えることもできますが、分詞を使うとより簡潔な表現になります。
4. まとめ
- フランス語の現在分詞は、動詞の「nous 形の語幹 + -ant」で作られる。例外は être, avoir, savoir。
- 基本構文は en + 現在分詞:「〜しながら」「〜することで」
- 副詞句として「理由・条件・結果」も表すことができる(文語寄り)
- 名詞を修飾して「〜している人/物」と表すことも可能(形容詞的用法)
- 主語は1つに限定される点に注意(主語が異なると使えない)
ABOUT ME
当サイトを運営している Izumi です。ここではフランス語学習者に向けて、フランス語の文法をわかりやすく解説しています。